彼の妻の鶏・真相を考察

今回は、ソ連時代に放送されていたという不気味なアニメについて、調査していきたいと思います。

動画化もされていますので、こちらもぜひ!

彼の妻の鶏

ソ連の謎のアニメについて調べてほしいというリクエストを頂きました。

そのアニメというのが、「彼の妻の鶏」です。

人によっては不快に感じる方もいらっしゃると思いますので、閲覧注意です。

【戦慄】おそロシアアニメ【1989年製作】

https://www.nicovideo.jp/watch/sm34640198

約12分の短編アニメとなっており、登場人物は鶏、イモムシ、そして青い顔をしたヒトです。

アニメの内容がとにかく不気味で、登場人物達は言葉を話さずに、動きで楽しむアニメとなっています。

リクエスト主さんいわく、このアニメについての情報はほとんどなく、唯一判明しているのは、ソ連では鶏が女性軽視の隠語で使われることがあったということだそうです。

今回は、このアニメについて出来る限り調べていきます。

考察

さて、このアニメについて調べてみると、どうやら作者は判明しているそうです。

イゴール・コバリョフという方で、現在のウクライナで生まれ、ソ連崩壊後はシンプソンズのアニメーターとして働き始めたそうです。

彼がこのアニメを公開したのは1989年で、英語のタイトルだと「Hen His Wife」となります。

海外でも多くの方に知られるアニメのようですが、内容についての解説はほとんどないですね。

というのも、作者が意味については明かしていない可能性が高いです。

英語圏のサイトで、とあるアニメフェスティバルに関する記事があり、そこでこのアニメとコバリョフ氏について触れられていました。

記事の筆者もアニメーターだったようで、当時感銘を受けたのは、この「彼の妻の鶏」だったそうです。

筆者は当時、このアニメは何か深い意味を持つ政治的なアニメに違いないと感じたそうで、コバリョフ氏の説明を待っていたそうですが、このアニメの情報についての説明は何もなかったそうです。

また、コバリョフ氏とイベントで会う機会があり、その際にもこのアニメについて会話したそうです。

しかし、アニメについてこれ以上説明はなかったと書かれているので、彼はアニメの意味について明言しなかったのでしょう。

このことから、このアニメについては正解は存在せず、視聴者の解釈に委ねられているということになります。

ということで、このアニメはどんな意味だったのか、ネットの意見を参考しにしながら考えてみます。

さて、このアニメについてですが、あらすじにはこう書かれています。

「訪問者が夫に妻が密かに鶏であることを明かすと、夫婦間の関係は崩壊する」と書かれています。

冒頭に少しお話しましたが、「鶏」は女性に対して差別的な意味合いを持つ言葉として使われることがある、という話がありました。

実際に調べてみると、こちらのサイトでロシアのことわざが紹介されています。

1853年にはすでに存在する言葉で、昔から鶏は女性に対して差別的な意味合いを持つことがわかります。

このアニメは、そういった時代背景にある差別を表していたのでしょう。

さて、ではこのアニメの意味について考えていきますが、YouTubeのコメント欄を参考にさせて頂きました。

鶏は、人生に興味がなく浅くて賢くない女性を示す下品な言葉であり、夫は訪問者によって自身の妻が鶏であると感じ始めます。

また、途中で出てくるこいつはウジ虫で、子供を意味します。これも子供を下に見る下品な言葉です。

登場人物の中で、夫だけ人の姿で出てくることから、おそらく夫視点では、妻と子供は自分よりも下であると思いこんでいるのでしょう。

そして、妻が鶏であると感じ始めた夫は妻に対して侮辱するような事を話し、妻は泣いて出ていったと考えられます。

妻がいなくなった後は、子供に食事を与えなかったり、無理やり縛り付ける等の描写や

上手く家事が出来ない描写があり、妻がいない状態の夫は何も出来ないことを表しています。

妻を鶏だと見下していた夫もまた、何も出来ないのだ、という意味が込められているのではないかと考えます。

昔から、女性を下に見る「鶏」という言葉があるように、当時のジェンダーに関する作者なりのメッセージが込められていたのかもしれませんね。

彼の妻の鶏・真相を考察” に対して3件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    バッドエンドで悲しい

  2. 匿名 より:

    “女性軽視”の作品というより当時の”女性軽視”に反抗するようなメッセージが込められた作品だったのですね。

    そのロシアのことわざに沿って言うなら
    “女性を鶏と見なすような夫もまた人ではない”というところか。

  3. 匿名 より:

    作者の実体験かもしれない

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