神戸に実在した謎の大型スーパー「生鮮館ユニバー」とは?

今回は、神戸市に存在した謎のスーパー「生鮮館ユニバー」について調査していきます。

動画化もされていますので、こちらもぜひ。

発見のきっかけは一枚の看板

この「生鮮館ユニバー」の存在が明るみに出たのは、ある視聴者の方からの情報提供がきっかけでした。2014年頃、神戸市垂水区で夜間に自転車を走らせていた際、ツタに半分飲み込まれた奇妙な看板を発見したとのこと。そこには「生鮮館 ここを左折」と書かれていました。

気になってGoogleストリートビューで過去の様子を調べてみると、2009年の画像には、まだツタに覆われていない看板がはっきりと写っていました。そこには「生鮮館ユニバー ここ左折」の文字と、左折後に右へ回り込むような道順が示されていたのです。

しかし、この看板が示す場所は現在、大きく開発されており、建物や看板の痕跡は一切ありません。「生鮮館ユニバー」の正確な場所は不明となってしまいました。

断片的に残る「生鮮館ユニバー」の情報

10年以上前に消えてしまったスーパーと聞けば、それほど珍しい話ではないかもしれません。しかし、この「生鮮館ユニバー」に関しては、情報が極端に少ないのです。

リクエスト主様が調査してくださった情報によると、

  • 厨房設備業者の施工実績: ある厨房設備業者のホームページに、平成13年(2001年)に「生鮮館ユニバー 厨房工事 兵庫」という実績が記載されていました。注文主は「H工業」とされていますが、これは業務用冷蔵庫の製造メーカーであり、スーパーの運営会社ではなさそうです。
  • 法人情報: 法人情報サイトで「生鮮館株式会社」という会社がヒット。所在地は垂水区多聞町字小束山868番地とされています。番地までしか記載がなく正確な場所は不明ですが、これが「生鮮館ユニバー」の運営会社である可能性が高いと考えられます。
  • 周辺地域の開発状況: Googleストリートビューによると、2009年時点では、この小束山868番エリアはまだほとんど開発されておらず、北側にニトリやヤマダ電機、南側には車屋が存在する程度でした。しかし、2013年頃になると南側にはコストコやパチンコ店などが一気に建設されています。
    • 近くのインターチェンジの供用開始は1998年、隣接する住宅街の造成は2002年頃から。
    • これらの情報から、「生鮮館ユニバー」は2001年以降、小束山868番エリアで唯一の建物だった可能性があります。

囁かれる「黒い噂」とは?

そして、この「生鮮館ユニバー」には、少し奇妙な噂がネット上に書き込まれていました。

「ニトリの近くに『生鮮館ユニバー』って看板がまだあるけど、あそこって開店してすぐつぶれたね。なんかワケアリだったのかな?」

パチンコ店開店の為の偽装開店でしたが失敗しすぐに閉店しました。」

https://machi.to/bbs/read.cgi/kinki/1238989024/

つまり、「生鮮館ユニバー」はパチンコ店を開店するための偽装店舗として使われる予定だったが、何らかの理由で失敗し、すぐに閉店してしまったのではないか、というのです。

この「偽装開店」とは、元々は別の店舗を建設する予定で申請していたものの、途中で用途変更して最終的にパチンコ店にするという手法を指します。

実際に、2017年頃、同じ兵庫県内で「車展示場」として建設予定だったものが、工事途中で用途変更されパチンコ店になったという事例がありました。これは住民から「騙し討ちだ」として反対運動も起きましたが、結局パチンコ店は建設されています。

https://web-greenbelt.jp/00010345/

他にも、名古屋では「パチンコ屋にはしない」と説明会で明言していた土地に、結局パチンコ屋が建設されたり、大阪では娯楽施設予定地がパチンコ屋に用途変更されたりといった事例が全国各地に存在します。

法的には問題がないのかもしれませんが、施設を期待していた住民からすれば、良い印象ではないでしょう。

調査で判明した「生鮮館ユニバー」の実態

これらの情報を元に、さらに調査を進めました。

まず、小束山868番エリアの住宅地図を確認し、登記情報を取得。

すると、かつてこの地番に存在していた建物は全部で7個の閉鎖登記が見つかりました。

このうちのどれかが「生鮮館ユニバー」であると思われますが、エリア内で最初の建物だった可能性を考えると、最初に分筆された土地の登記を確認したところ、平成13年(2001年)3月10日新築の建物が出てきました。

そして、権利者の中には「生鮮館株式会社」の名前が出てきます。

これが「生鮮館ユニバー」で間違いなさそうです。

航空写真で確認すると、確かに小束山868番南エリアには、この建物しか存在していません。

登記簿によると、敷地面積4000㎡、床面積1500㎡というかなり大型のスーパーだったようです。

そして衝撃的なのは、この建物は2001年新築でありながら、2007年には取り壊され、さらに2005年には建物が差押えられていたという事実です。

住宅地図の表記(2002年の住宅地図には店名の表記がなかった)から、営業開始は2002年以降と考えると、営業していたのはわずか3年程度だったのではないでしょうか。新築から取り壊しまでわずか6年というのも、大型スーパーとしては考えられない短さです。

建物の所有権は、当初「有限会社T開発」という企業でしたが、平成16年(2004年)に「真正な登記名義の回復」を原因として「生鮮館株式会社」に所有権が移転しています。

これは、「T開発」が区画整理をして建物を建設し、運営会社である「生鮮館株式会社」に登記名義の回復で所有権を渡したと考えられます。

この「生鮮館株式会社」ですが、法人登記によると平成13年2月14日設立。

建物が完成する約1ヶ月前にできた会社です。元々は「神戸U開発株式会社」という社名でしたが、平成15年(2003年)に「生鮮館株式会社」へ社名変更しています。

そして、最終的に平成28年(2016年)に解散。建物は平成17年(2005年)に兵庫県に差し押さえられているため、この時点で会社は事業停止していたと思われます。

情報提供者から寄せられた当時の様子

この「生鮮館ユニバー」についてTwitterで情報提供を募ったところ、当時を知る方から貴重な証言が寄せられました。

  • 「幼少期、神戸市垂水区に住んでいた者です。確か24時間営業で生鮮食品のみならずカブトムシなどの生体販売もあった記憶です…ほんとに一瞬でなくなりましたが、看板は長い間あったように思います!」
  • 「昔よく連れてってもらってたけどめっちゃ楽しかったここ!!!」
  • 「なんと!昔ここのスーパーのチラシ作ってたw まさに2001年の話」
  • 「実際に行ったことがあります。パチンコ店の為の偽装開店というように言われてるようですが確かにそんな感じの店内でした。監視カメラが異常に多かった記憶があります。」

これらの証言から、「生鮮館ユニバー」は24時間営業で、生鮮食品以外にカブトムシなども販売する、子供も楽しめるような総合スーパー的な場所だったようです。

チラシも作成されており、店舗としてはしっかりと営業していたと考えられます。しかし、監視カメラが異常に多かったという点は気になります。

また、別の古いネット上の書き込みには、2007年時点で「生鮮館ユニバー 解体が始まったようですが…」「ユニバーの後は何が出来るのかな?前はパチンコ屋さんて言う噂もあったけど…」といったものや、2008年には「学園南ICの南のユニバー跡地何ができるんですか?反対!みたいな看板立ってますけど。」という書き込みもありました。

https://machi.to/bbs/read.cgi/kinki/1192916236/

これらのことから、元々パチンコ屋ができるという噂は実際に存在し、反対看板が立てられていたことから、住民との間で何かしらの揉め事があった可能性も考えられます。

まとめ:謎多き「生鮮館ユニバー」

確かに不可解な点が多い「生鮮館ユニバー」。わずか6年で建物ごと消滅してしまったため、情報がほとんど残っていません。

今回の調査で、「生鮮館ユニバー」はパチンコ店の偽装開店の予定だったが失敗し、すぐに閉店したという噂がありましたが、営業していた時点で一連の偽装開店の手法とは異なっています。しかし、少し不可解な点も。

実は、「生鮮館ユニバー」の建物が建設されたと同時に、抵当権設定仮登記が行われていました。

この時の権利者は、ある建設会社。この建設会社は、主にパチンコ屋といったアミューズメント施設を請け負っており、大手パチンコチェーンもこの建設会社が建てています。

あえて懐疑的に考えると、「生鮮館ユニバー」には主にパチンコ屋を建設する会社が関わっており、最終的に仮登記のまま抵当権設定がされなかったということは、何かしらの「計画」が失敗したのかもしれません。

パチンコ屋の噂があったのは事実で、「生鮮館ユニバー」自体にも不可解な点がある。そして、反対看板が立てられていたことを考えると、黒い噂はないにしても、少なくとも何かしらの揉め事があったのは確実かもしれません。


神戸に実在した謎の大型スーパー「生鮮館ユニバー」とは?” に対して2件のコメントがあります。

  1. 学園都市 より:

    ここに買い物に行ってました
    やたら刺身の試食があったのが心に残っています

  2. john より:

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