存在しない国から来た男・真相を考察
今回は「存在しない国から来た男」という都市伝説を調査していこうと思います。
YouTubeで動画化もしていますので、こちらもよろしくお願いします!
Man from Taured.存在しない国から来た男
オリンピックも始まり、多くの外国人が日本に来ていると思います。
一人一人の渡航歴は全て記録に残っていて、もし外国で問題を起こすと、どこの国から来た人間か分かってしまうんです。
しかし、一度だけ例外がありました。
ネット上にこのような都市伝説が存在します。
その名も「存在しない国の男」。
ある男が、羽田空港の税関を通ろうとしました。
しかし、彼は通過することが出来ません。
持っていたパスポートにはしっかりと出国スタンプが押されており、不備はありませんでした。
ただ、彼が出国した事になっている国が存在しないものだったのです。
「トレド」という国がパスポートに記載されていて、彼が言うにはフランスとスペインの間にある国だという。
税関職員は、アンドラのことかと聞いたが、場所は正しいが名称が違うといいます。
アンドラはフランスとスペインの間にある小さな国で、思い当たる場所はそこしかなかった。
1日で処理出来ない問題だと判断した職員は、男のパスポートを預かりホテルへ宿泊させました。
しかし、翌日になると男と預かっていたはずのパスポートが消えていた。
そして、彼の正体も不明のままだそうです。
存在しない国、トレド。
男はどこからやってきたのでしょうか。
今回はこの都市伝説を調査していこうと思います。
考察
この話、都市伝説とは若干違いますが、本当に起きた事件なんですよね。
しかも日本で。
男の名前は「ジョン・アレン・K・ジーグラス」といい、1959年に偽造小切手を使用した容疑で逮捕されています。
彼は取り調べのとき、こう証言しています。
「私はネグシ・ハベシ国の移動大国で、アメリカの諜報員だ、外交特権の侵害だから今すぐ釈放しろ」と。
そのような国はもちろん存在しないのですが、彼は雑誌ほどの大きさのクソデカパスポートも所持しており、その国で発行されたと主張していたといいます。
結局、裁判では「国籍不明」として起訴され、懲役1年の判決が下ったようです。
つまり、架空の国は認められなかったわけですね。
さて、この一連の事件から「トレドから来た男」の都市伝説が生まれた経緯を説明します。
実はこの事件、海外でも報道されるほどの騒ぎになりました。
その時、1960年にバンクーバー州の新聞にこのような記事が出されています。
タイトルは「自国の男」
記事には、「男はサハラ砂漠の南にある「Tuared」の首都、タマンラッセで発行されたパスポートを持っていた」と書かれていました。
タマンラッセはトゥアレグ族の主要都市です。
トゥアレグのスペルは「Tuareg」ですが、新聞には「Tuared」(トレド)と書かれていたのです。
このスペルミスによって、「トレド」という存在しない国から来た男の話が生まれました。
ちなみに、彼は裁判の後、香港に移送されましたがその後の消息は不明です。
本当の国籍は未だに判明していないんですね。
この事件は初耳でした。「謎のニセ札事件」しかり「タマムシュッド事件」しかり、
極稀にこういう訳の分からない事件が実際に起きているのは興味深いですね。
都市伝説として誇張されてはいるものの、実際に起きてる事件というのもまた面白いですよね。