【都市伝説】霊を呼び出す儀式、「こっくりさん」の起源と流行を追う【さとるくん】後編

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 みなさんこんにちは。

 

この記事は、前回の続きです。

 

まだ見ていない方はそちらからどうぞ。

 

 

こっくりさんは存在したのか。

 

 前回では、こっくりさんの起源と流行について書きましたが、こっくりさんは本当に存在するのでしょうか?

 

実は、こっくりさんは社会現象になるほどの影響がありました。

 

例えば

 

昭和55年(1980).12.17〔中2女子4人、コックリさん信じてリンチ〕
大阪府で中2女子4人、コックリさん信じてリンチ。

少年犯罪データベース リンチ事件

 

中学生がこっくりさんのお告げを信じてリンチを行うという事件が起きたことがあります。

 

古い事件のため当時の資料は乏しく、これぐらいしか分かりませんが、実際にこっくりさんによって起こされた事件だということは分かります。

 

その他にも、精神科医の方のサイトで以下のような事例が紹介されています。

 

psychodoc.eek.jp

 

 長いので、引用元のサイトで御覧ください。

 

信じられないような事例ですが、論文にも書かれるほどの事件であり、実際に起こったことです。

 

しかし、全て「集団ヒステリー」として医学的に解明されているようです。

 

sumaapu0.hateblo.jp

 

かなり前に僕のブログでも紹介しましたが、集団ヒステリーとは「恐怖の連鎖」です。

 

 最初の一人はなぜ錯乱したのかが問題となるわけですが、問題を解く鍵はこっくりさんに対する、ある種の信仰心が原因だと思われます。

 

こっくりさんに関する事件が多発しているのは主に1980年代となっており、前編に記した通り、こっくりさんブームの興隆期と一致します。

 

この時代の子供たちの誰しもが、こっくりさんを認知し、恐怖の対象だと信じていたのです。

 

今でこそネットで都市伝説のカラクリが分かってしまう時代でしたが、まだこの時代は口コミが主流の時代であり、子供たちにとって「こっくりさんの噂」は真実だったわけです。

 

これを踏まえて考えれば、こっくりさんを恐怖の対象だと信じて疑わない子供が、実際に試してみて、ちょっとした異変をこっくりさんのせいだとして錯乱したケースが大半でしょう。

 

多くの子供達がこっくりさんを信じ、流行していた時代だからこそ起きた事件だということです。

 

近年になって現れたこっくりさん

 

 みなさんもご存知かもしれませんが、2013年に集団ヒステリーで18人の生徒が病院に搬送されるという事件が起きました。

 

www.sankei.com

 

 SNSでも話題となり、「こっくりさんをやっていたせいだ」という噂も流れていたといいます。

 

18人でこっくりさんをやるとなると、いくつかのグループに分かれてやっていたと思われますが、なんだか理科の実験を思い出しますね。

 

 

実際には、こっくりさんをやっていたという事実はなかったと学校側は否定しています。

 

   霊感が強かったとの報道については、聞いていないので分からないとのことだった。生徒らがコックリさんをしていたかについては、「それはありません」と明確に否定した。

www.j-cast.com

 

こっくりさん再来かと思いきや、残念です。

 

こっくりさんから派生した怪異・さとるくん

 

 最後に、こっくりさんから派生したと思われる怪異を紹介します。

 

その名もさとるくん。

 

公衆電話に10円を入れ、自分の携帯電話にかけ、さとるくんを呼び出し、質問に答えてもらうというもの。

 

確かにこっくりさんと類似していますが、注目すべき点は携帯電話を使用しているという点ですね。

 

10円と紙を使っていた時よりも、時代が進んだ気がします。

 

 青少年の携帯電話利用率を調べてみると、2000年代から高校生のほとんどが利用しており、中学生以下の利用率はほとんどないことから、高校生を中心に流行っていたと考えられます。(参考 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasi/26/0/26_0_161/_pdf)

 

さとるくんの元ネタに関しては以下の2つの説があります。

 

こっくりさん等の都市伝説を合わせて作られた説

 

 さとるくんにを呼ぶ手順を詳しく書くと、公衆電話に10円を入れ(10円以外はダメ)自分の携帯電話にかけます。

 

そして以下のように話します。

 

「さとるくん、さとるくんおいでください(2回言う)」

「さとるくん、さとるくんいらっしゃたらお返事ください」

 

するとさとるくんが出てくるというわけですが、オカルトブーム時に流行ったこっくりさんを呼ぶ呪文と酷似しており、電話をかけるという点ではメリーさんという都市伝説も同時期に流行っていますね。

 

以上のことから、様々な都市伝説をかけ合わせて作られたものだという説があります。

参考 怖すぎる話 真夜中の都市伝説 松山ひろし

 

・怪人アンサー説

 

 実は、同時期に怪人アンサーという都市伝説も流行りました。

 

 怪人アンサーは携帯電話を用いた儀式で呼び出せる怪人。

10人が円形に並び、同時に隣の人に携帯電話を掛けると、すべてが通話中になるはずである。ところが、一つだけ別のところにつながる電話がある。それが怪人アンサーだ。 呼び出せばどんなことでも答えてくれるが、最後にアンサーから質問してくる。

 問題に答えられないと携帯電話から「今から行くね」と声が聞こえ、決して逃げることはできず体の一部分を引きちぎられてしまう。アンサーは頭だけで生まれてきた奇形児で、そうやって体のパーツを集めて完全な人間になろうとしているから。

https://ja.wikipedia.org/wiki/怪人アンサー

 

 ですが、これはwikiにも書かれている通り、創作者が名乗り出ており、起源がはっきりしています。

 

携帯電話で呼び出す怪異、そして質問に答えてもらうという点で非常に似ていますが、さとるくんはこの都市伝説が元ネタになったのかもしれません。

 

どちらが先に登場したのかはわからないので、あくまで仮説です。

 

あとがき

 

 都市伝説といえばこっくりさん

 

みんなでスリルのある遊びができる、うってつけの都市伝説として愛されてきました。

 

現在では、こっくりさんを信じる子供の方が少ないかもしれませんね。

 

また新たな都市伝説が生まれ、かつてのこっくりさんのように、社会現象になる時は来るのでしょうか。 

 

そういった意味では、「ひとりかくれんぼ」なんかは惜しかったような気もします。

 

ということで、こっくりさんの記事はこれで終わり。

【都市伝説】霊を呼び出す儀式、「こっくりさん」の起源と流行を追う【さとるくん】後編” に対して1件のコメントがあります。

  1. より:

    こっくりさん(ウィジャ板なども)は無意識下での筋肉の運動によるものなので実際に動作しますが、
    今回紹介されている携帯電話にかけてみる系のものは、なにかの誤動作などが起こるものでもないため何も起こらず、別系統のもの、いわゆる怪談(都市伝説)のように思えます

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