【都市伝説】リョウメンスクナを考察【真相】
今回は、ネット発祥の怖い話、「リョウメンスクナ」について考察していきます。
八尺様やコトリバコと並んで、かなり有名です。
リョウメンスクナは他と比べて、記録に残るほどの災害を引き起こす圧倒的な力があります。
さて、大災害を引き起こす力を持つリョウメンスクナは、果たして本当に存在するのでしょうか?
リョウメンスクナ
建築関係者の主人公は、岩手県のとある古いお寺を解体する仕事に就いた。
解体作業中、奇妙な箱を発見する。
その箱は、ボロボロで何が書いてあるかよく分からなかったが、
「大正??年??七月??ノ呪法ヲモッテ、両面スクナヲ???二封ズ」
と書かれていることだけは分かった。
住職によれば、この箱はかなりヤバイらしい。
しかし、作業員二人が、その奇妙な箱を開けてしまう。
開けてしまった二人は、もう助からないらしい。
そして、近くにいた主人公たちも長くは生きられないと言われる。
その後、住職の息子から、奇妙な箱について恐ろしい真実を聞いてしまう。
箱の中身は、人間同士の蠱毒によって作られたミイラだったのだ。
そして、そのミイラが運ばれた場所は、必ず災害が起きている。
リョウメンスクナは今、どこにあるのだろうか。
※蠱毒に関して、以下の記事にちょっと書いてるので、よかったら見てください。
リョウメンスクナがある場所には、災害が起きているという、恐ろしい話でした。
歴史上にも記録があるので調べてみると、実際に起きていることがわかります。
リョウメンスクナのせいか分かりませんが、現実とリンクしているとなんだか不気味に感じてしまいますよね。
では、考察していきましょう。
考察
さて、リョウメンスクナのは一体何なのか考えてみましょう。
話の中で、リョウメンスクナとは、「スクナ族」と呼ばれる外来人と関係があるのではないかと書かれています。
リョウメンスクナの話、「宗像教授伝奇考」という漫画に出てきた覚えがある。
スクナ族という、恐らく大昔に日本へ来た外国人ではないかと思われる人が、太古の 日本へ文化を伝えた。
出雲に住んでいて、その後、飛騨地方に移り住んだと書かれていますね。
そして、出雲のとある洞窟から「リョウメンスクナ」という像が発見されています。
ちなみに、両面宿儺(りょうめんすくな)は実際に、神話のようなものが残っています。
両面宿儺と呼ばれる像も実際のお寺に奉納されているんですね。
上の画像が、両面宿儺と呼ばれる像です。
しかし、正体はこいつか!?と思いきや、全く違います。
話の中で出てきたリョウメンスクナは、天獄なる人物が、奇形児同士の蠱毒で作り上げたものだったのです。
蠱毒といえば、呪いの方法として有名です。
そして、呪いの対象は国家だと言われています。
物語のリョウメンスクナは味方を気遣ったり、結構いいヤツなんですが、こっちのリョウメンスクナはひどいですね。
呪いの結果、以下の災害が引き起こされます。
1914(大正3)年:桜島の大噴火(負傷者 9600人)
1914(大正3)年:秋田の大地震(死者 94人)
1914(大正3)年:方城炭鉱の爆発(死者 687人)
1916(大正5)年:函館の大火事
1917(大正6)年:東日本の大水害(死者 1300人)
1917(大正6)年:桐野炭鉱の爆発(死者 361人)
1922(大正11)年:親不知のナダレで列車事故(死者 130人)
えげつないな!
ですが、現実とリンクしているだけに、そこに手がかりがありそうです。
一つ一つ、本当にリョウメンスクナによって引き起こされた災害なのか検証していきたいと思います。
とりあえず、噴火や地震、水害は人為的に起こせるものではないので、リョウメンスクナがやったということにしておきましょう。
・方城炭鉱の爆発
炭鉱の爆発事故の中でもかなり規模が大きいものだったようです。
しかしながら、事故の原因は人間でした。
爆発地点と思われる場所を中心に死亡者の持っていた坑内用の安全ランプを回収して詳細に調査した結果、ホヤの内側に石炭粉が侵入したものが発見された。
目黒技師はこのランプを爆発の火源と断定し「だれかが通気扉を開け放しにしたために換気のための通風系路が変わり、しだいに現場にメタンガスや炭塵が滞留し、気密に不良のあったランプの火が引火して大惨事をまねいた」ものと結論している。
引用:方城炭坑瓦斯爆發調査復命書
どうやら、誰かの不注意によって起きた人災のようですね。
また大正時代では、炭鉱事故が多く起きています。
このことから、炭鉱事故はさほど珍しいものではなく、起きてもおかしくないものです。
リョウメンスクナのせいにするのは、ちょっと考えすぎだと思います。
・函館の大火事
実はこの火事も、起きても不自然ではありません。
函館では、何度も「函館大火」と呼ばれる火事が起きているのです。
その原因として、街が火が燃え移りやすい形状であること、強風が吹きやすい地域であることが考えられます。
さらに言えば、昭和で函館で最も大きな火災が起きています。
昭和はもうリョウメンスクナは北海道にいませんから、関係はありません。
このことから、この災害もリョウメンスクナのせいとは考えにくいです。
・桐野炭鉱の爆発
これに関しては、資料が見つからなかったので、なんとも言えません。
ただ、実際に起きたことは事実です。
参考
http://hasiru.net/~maekawa/mine/iwami/iwami1.html
以上のことを踏まえると、本当にリョウメンスクナの呪いの仕業なのか疑わしいですね。
真相
リョウメンスクナが起こした災害についていろいろ調べていたら、とんでもない事実が見つかりました。
というか、以下のブログさんが発見しておられました。
話の中の災害表とほぼ全く同じ文面が見つかった。
それと比べて見ると一部分が書き換えられているだけだった。
ほぼ同じ文面が載っているサイトはこちらです。
大正時代たいしょうじだいにも 災害さいがいがたくさんありました。
このころにおきた 災害さいがいには、
1914(大正3)年:桜島の大噴火(けがしたひと 9600人)
1914(大正3)年:秋田の大地震(しんだひと 94人)
1914(大正3)年:方城炭鉱の爆発(しんだひと 687人)
1916(大正5)年:函館の大火事
1917(大正6)年:東日本の大水害(しんだひと 1300人)
1917(大正6)年:桐野炭鉱の爆発(しんだひと 361人)
1922(大正11)年:親不知のナダレで列車事故
(しんだひと 130人)
1914(大正3)年:桜島の大噴火(負傷者 9600人)
1914(大正3)年:秋田の大地震(死者 94人)
1914(大正3)年:方城炭鉱の爆発(死者 687人)
1916(大正5)年:函館の大火事
1917(大正6)年:東日本の大水害(死者 1300人)
1917(大正6)年:桐野炭鉱の爆発(死者 361人)
1922(大正11)年:親不知のナダレで列車事故(死者 130人)
函館の大火事だけ犠牲者の数が不明な点や、年代と災害の間にご丁寧に使われているコロンまで一致しています!(笑)
災害を説明するために、引用するなら分かりますが、わざわざ書き換える意味が分かりませんね。
結論としては、リョウメンスクナは創作の可能性が高いでしょう。
まぁ、書き込まれた「洒落怖スレ」は創作okなので悪いことではないですが。
まとめ
強大な力を持つリョウメンスクナの呪いですが、創作の可能性が高いと思われます。
引き起こされたという災害が、リョウメンスクナのせいだとは考えにくいこと、話の中の不自然なコピペから考えれば、その可能性が高いでしょう。
しかし、ミイラを作る工程や、実際に現実とリンクしている点があるなど、物語としては非常に怖いものだと思います。
この話は洒落怖の中でもかなり好きな話ですが、
内容の引用元を見つけ出すとはすごいですね。
そもそもの問題として、作中にて住職の親族からスクナのエピソードを聞く場面が存在するのだが、そこで住職の親族がスクナのことを「即身仏である」と話す。これがおかしい。この話の著者は、きっと儀式などで餓死した人物がミイラ化したものが即身仏であるという、誤った認識を持っているのだろうが、そも即身仏はそんなものではない。それにもかかわらず、仏門に縁深い人物が、ただの餓死した人のミイラを即身仏なんて呼ぶのは物語の破綻もいいところ。