亞書・真相を考察
今回は、一昔前に話題になった奇妙な書籍についてご紹介します。
動画化もされていますので、こちらもぜひ!
亞書
2015年、Amazonに奇妙な本が出版されていると話題になりました。
本の名前は「亞書」A5で、480ページもあるかなり厚い本になっています。
こちらが実際の写真になりますが、ハードカバーのかなり立派な本で、値段はなんと一冊64800円です。
非常に高額な本ですが、一体中には何が書かれているのでしょうか。
本の中身も一部流出しておりまして、こちらがその写真です。
ギリシャ文字が羅列されているだけの内容らしいのです。
この本は100巻以上も出版されており、かなり長いシリーズになっているのです。
著者の名前は「アレクサンドル・ミャコフスキー」となっていますが、彼はなんのためにこの本を出版したのでしょうか。
100巻以上も出ている本なのですが、実態は謎に包まれた本となっており、内容も理解できないことから、奇妙な本だと話題になりました。
都市伝説好きにはワクワクするような騒動ですが、出版された目的は意外なものでした。
結末
これが騒動となった後、多くのメディアが調査に乗り出し、やがて「国会図書館の納本制度」にたどり着きます。
国会図書館には納本制度というものがあり、頒布が目的で作られた書籍であれば、国会図書館に納付する義務があります。
今回の亞書も例外ではなく、国会図書館に納本しなければいけないのですが、国会図書館もタダで納付しろというわけではなく
基本的には小売価格の50%の値段を支払ってくれます。
そして、今回の亞書は100巻も出版されており、さらに6万円と高額な書籍なので、1巻ずつ全て納付すれば、相当な値段になります。
今回の亞書、この納付制度を利用したものではないかと疑惑が生まれたのです。
この件について、国会図書館側が声明を出しました。
1巻から78巻まで郵送され、実際に販売されていたことと、体裁も簡易ではないことから納本を受け入れ代償金を払ったそうです。
ですが、検討の結果、本を返却することとなり代償金についても返還を求めることになったようです。
この件に関して、亞書の出版社である「りすの書房」も声明を出しており、図書館側との会談の結果、返還を決定したそうです。
この騒動、一旦の決着は着いたものの、結局この亞書自体は何が目的で作成され、どのようなことが書いてあったのか謎です。
この件について、デイリー新潮の記事に詳しく書いていたので引用させていただきます。
まず、出版社の社長は26歳の方で、この人物が本を制作したとのことです。
亞書については、18歳のころから構想があり読書にハマったことが亞書のヒントになったと話しています。
内容に関しては、残念ながら意味はないらしく亜所は書物自体が芸術作品であるとも話していました。
代償金目当てというのは見当外れであると騙っており、純粋に芸術作品として出版したと主張しているみたいですね。
亞書は、一冊つくるのに3万円掛かるそうで、112巻分のコストは1500万円になりそのうち半分以上は自身の人件費とのことです。
ある教授も人件費が800万円とは思えない、と話しており、代償金目当ての可能性が高いとのことです。
何か意味は隠されていたのではないかと期待したのですが、完全に詐欺まがいの行動だったようです。
ちなみに出版社は既に倒産しています。
ですが、国会図書館で、りす書房を調べてみると他にも納付されたものがあります。
聖書やエッセイが納付されているようですが、いずれも他の書籍と比べて高額です。
これは私の憶測ですが、以前から代償金を目当てに納本しており、今回は騒動が大きくなったためにバレてしまったのではと考えます。
この件、事件考察ブログの「気になる事件」さんが当時詳しく調査されてましたね。
もうそのブログも2021年で更新は止まってますが…。
当時気になって追いかけていました。サイトを消す直前に「亞書の大セールを行う」と告知されていたので購入したかったのですが、結局開催されませんでした…
ご本人はバイオリン?か何かの音楽家で、そちらのアカウントは騒動後も更新されていた記憶があります。
懐かしいー。
当時、謎が解明される前に自分も面白くていろいろ調べたことを懐かしく思いだします。
「りすの出版」自身が作成したことが明らかになる前は
このロシア人らしき著者が実在するのかも議論の的になっていました。
同著者は「ノリリスク工科大学」の教授という設定で
自分は「ノリリスク」という都市も、この時はじめて知りましたが、
同都市はロシアの「閉鎖都市」らしく、こういう細部まで凝っていることも非常に面白かったです。
(ただその本の初版当時は当該大学自体がまだ設立されていなかったので、
やっぱり嘘ではないかということになりましたが)。
amazonで売られていた亞書の不気味な表紙を見たときのワクワク感はたまらなかったですね
代償金のしくみに目をつけた詐欺のアイデアには知性のを感じたがその後の声明文からは品性の下劣さしか感じなかった