碇ヶ関の宗教施設・真相を考察
今回は、かつて青森県の碇ヶ関に存在した宗教施設について調査していきます。
坐不動
とある書籍にて、「青森の寒村に佇む白亜の宗教施設 狂信の館」として紹介された宗教施設の廃墟があります。
中には「悪霊を具現化した絵」や「悪霊を退治する経文」が書かれた
紙が置いてあると書かれています。
ネット上には古い廃墟サイトにて、「碇ヶ関の宗教屋敷」と「川沿いの廃寺院」という名前で紹介されています。
しかし、これ以上の情報はなく、具体的な場所や活動内容については不明です。
そこで、この「碇ヶ関の宗教施設」について情報を募集したところ、地元民から具体的な場所を教えていただきました。
現在は綺麗に空き地になっています。
地元民の間では怪しい宗教施設や教会のような建物という噂は存在していたようですが、具体的にどんな人物が運営し、活動を行っていたのかは不明のようです。
そのため、当時の建物の情報を得るために建物が存在してたと思われる1990年代の住宅地図を確認してみることにします。
すると、住宅地図上には「卍 坐不動」と所有者と思われる名前が記載されています。
書籍や廃墟サイトには宗教施設として記載されていましたが、住宅地図上では寺院の扱いになっています。
この「坐不動」の意味についてですが、付近には「古懸山不動院国上寺」があります。
こちらは有名な寺院で、中には「坐不動」という座った不動明王が祀られています。
青森では「ねまりふどう」と呼ばれており、この国上寺と何か関係があるのでは
と思われるわけです。
そこで、碇ヶ関市に直接問い合わせてみたものの、関係性や活動内容についての情報はなく、結局どんな宗教施設なのかは不明でした。
現地へ
先日、この謎の宗教施設「坐不動」の調査のため、青森県碇ヶ関に向かいました。
住宅地図や当時の写真を使いながら、地域の方々に聞き込みを行いました。
しかし、「20年以上前に壊された宗教施設だ」という話のみで、有力な情報は得られず。
ただ、誰に聞いても施設の存在はご存知のようで、地元ではある程度有名な施設だったのではと思われます。
20年以上も前のことですし、怪しい宗教施設という噂も存在していますので、部外者の人間には詳しい内容をあまり話したくないのかもしれません。
そして、名前の元となっている「坐不動」が祀られている国上寺にも足を運びました。
お寺の関係者の方にお話を伺いましたが、詳しい活動内容等はわからず。
・個人でやっていた宗教施設
・お寺とは一切関係がない
・なぜ「坐不動」という名前を使用しているのかもわからない
とのことでした。
残念ながら、現地でも有力な情報は得られませんでした。
最後に住宅地図に記載されていた「S」という人物についても少し調べてみましょう。
この方の名前で調べてみると、数件の資料がヒットします。
そのほとんどが青森県に関する資料で、「S」という名前は結構珍しいようですので、同一人物である可能性は高そうです。
詳しくは記事内では紹介できませんが、記載されている情報からかなりの資産を持っていた人物であることが推測できます。
紺綬褒章をもらっており、この方が「坐不動」の「S」と同一人物であるとするならば、宗教施設もある意味人助けの意味があったのかもしれません。
結論としては、個人でやられている宗教施設で、近くにある国上寺とは無関係であり
元々お寺の方だったというわけでもありません。
活動内容については不明で、地元の方々の事情もありますからこれ以上は詮索しない
ほうが良さそうです。
雪が降る地域かと思われるので、建物が残りにくいのでしょうね。
ちなみに紺綬褒章は「公益ノ為私財ヲ寄附シ功績顕著ナル者」に授与されるため、S氏にそれだけの資産があった、ということしかわかりません。
ただ気になるのはS氏の一族は(宗教関連含めて)地元の名士だったと思われるので、地域の誰も知らない、というのは少しおかしいかもしれませんね。