【都市伝説】霊を呼び出す儀式、「こっくりさん」の起源と流行を追う【さとるくん】前編
みなさんこんにちは。
学校で必ず流行るであろう都市伝説。
「こっくりさん」
今日では、類似した都市伝説が登場しました。
名前は違えども、「霊を呼び出し、お願いをする」この点に関してはどれも共通しているように思えます。
一体この都市伝説は、いつから流行していったのでしょうか?
起源を追う
こっくりさんが日本で流行っていたのは、1885年の秋頃だと言われています。
しかし、起源に関しては様々な説がありました。
・似たような儀式が300年前から伝わっていた。
・信長が試みたことがある。
・あるいは徳川の代に行ったと証言があった。
・薩州(鹿児島県)が起源である。
など、こっくりさんについて当時も多くの噂が錯綜していたようです。
徳川家や織田家の件については置いておきますが、似たような儀式があったという点は確かにあったのかもしれません。
というのも、こっくりさんは占いの一種ですので、古来から占いの文化があった日本で似たような占いがあったとしてもおかしくないです。
ちなみに300年前というのは、参考にしている井上円了氏の本の初版発行日が1887年なので1500年代頃の話ですね。
さて、色々と説があるわけですが、こっくりさんの起源は意外な所からでした。
アメリカの船
こっくりさんが日本で初めて起こったのは、静岡県、その数カ月後に東海地方へ、そして東京へ伝わりました。
さて、初めてこっくりさんが行われたと言われる静岡県(当時は豆州)ですが、こっくりさんが行われる数年前に破損したアメリカ船が漂流してきたという出来事がありました。
その船員が、当時アメリカで流行していたテーブル・ターニングを日本人へ伝えたことによって、こっくりさんが出来たと言われています。
オカルト好きのみなさんはご存知かもしれませんが、テーブル・ターニングとは回転するテーブルに囲うように座り、質問によって回転を止めるか否かを問うものです。
(例:明日の夕食はカレーである yesなら回転を止める noなら回転したまま)
日本ではテーブルがないため、飯櫃の蓋と三本の竹で代用しました。
そんなので回転するのかな
こっくりさんの語源は、飯櫃の蓋が「こっくり」と傾くさまを見て付けられたらしいです。
こっくりさんと言えば狐のイメージが強いかと思いますが、漢字では狐狗狸と書きます。
かつての日本では狐、犬、狸を神や妖怪の類として信仰していたので、超常現象を起こす者として、こっくりにこれらの動物を当てたのでしょう。
以上、井上円了の妖怪玄談 参考
これで起源が分かりましたね、と言いたいですが、みなさんが知りたいのは10円玉を置くアレではないでしょうか。
現代のこっくりさん
「こっくりさん」の起源はテーブル・ターニングであり、当時有り合わせで作ったものが傾くさまをそう呼んだことが、名前の由来でした。
しかし、どう見ても、現代のこっくりさんと全然違います。
実は、こっくりさんの手法の起源は別にあるのかもしれません。
それが、ウィジャ盤。
某カードゲームにもありましたね。
冗談はさておき、1892年にボードゲームが発売されました。
その名もウィジャボード。
遊び方は簡単で、ボードの上にアルファベットや数字が書いてあり、穴の空いたハート型の板に手を置いて、穴に示された文字で霊とコミュニケーションを取るというものでした。
そう、現代のこっくりさんとそっくりです。そっくりさん
日本で流行ったのが1885年からだったので、その7年後に登場し、日本にも伝わったのでしょう。
このようなテーブルを囲って降霊術を行うという儀式は、1800年代から流行っていたわけですが(自動書記、テーブルターニングなど)、このように手軽にできるもので登場することで、「こっくりさん」の形として完成したわけです。
では日本に伝わってすぐに10円玉に置き換わったのかと言われれば恐らく違います。
なぜかって、当時の10円は金貨だったので子供たちが用意できるはずもないです。
そもそも、10円は初任給に匹敵するほどでしたので、10円硬貨が使われるのはもっと後でしょう。
このことから、少なくとも、1951年に平等院鳳凰堂が刻まれたあの10円玉が発行されてから、現代のこっくりさんになったと思われます。
こっくりさんの流行と照らし合わせてみましょう。
1930年か ら現在 までの 流 行 史 は 、 安定 伝 承 期 (1930〜 1945年、 昭和 初 期〜 敗戦 )、 低迷 期 (1946〜 1973年 、 戦 後 復 興 〜 高 度 経 済 成 長 / 沖縄 の 本 土 復帰 前)、 興 隆 期 (1974〜1992年、 高度経済成長以 降/沖縄 の 本土 復帰後)に 区分 さ れ る こ とが 示唆 された 。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/religionandsociety/1/0/1_KJ00006476846/_pdf/-char/ja
上記の論文では、実際に約2000名にアンケートを取って流行した時期を調べたものです。
10円玉が発行された1950年代は低迷期になっています。
とすると、実際に子供たちに10円玉が使われだしたのは1970年代からかもしれませんね。
ちなみに当時の貨幣価値は現在の約6倍です。
こっくりさん1回で60円でした。
10円玉が使われた理由ですが、稲荷信仰を連想させる神社(正確には寺院ですが)が刻まれており、子供たちの活動拠点である学校に持っていっても問題ないことから、10円玉が流行ったのかなと推測します。
まとめ
以上をまとめると
1880年代:アメリカ船、静岡に漂着。テーブルターニングが伝わる。ここで日本版こっくりさんが完成。
1885年~ 各地でこっくりさんが流行りだす。この時期はまだ竹と蓋で行われていた。ただし、外国では多くの降霊術が流行していたため、日本も何らかの別の儀式があったかもしれない。
1892年~ アメリカにてウィジャボード発売。これで現代のこっくりさんの原型ができる。日本にも伝わったと思われるが詳しい時期は不明。10円玉はまだ使われていない可能性が高い。
1951年~ みなさんご存知の10円玉が発行される。
こんな感じじゃないかなと思います。
ほぼ僕の妄想なので、ご指摘等、何か意見あればコメントください。
タイトルにさとるくんが入っていますが、後半はこっくりさんの派生形と、実際に起きた事例について書いていきたいと思っています。たぶん。
年表誤字ってますかね?
複数の箇所で1900年代と1800年代がごっちゃになっているような、
↓とか
1980年代:アメリカ船、静岡に漂着。
ご指摘ありがとうございます。
目についた所は修正しておきました。
そっくりさん
うるせえよ!