転校生に、連れられた先で・・・

小学3年生の時、夏休みが終わって2学期が始まった直後に女の子の転校生が来ました。ごく普通の見た目の子ですぐにクラスの皆とも打ち解けて行ったのですが、
その子が転校して来てからまだ1週間も経っていない日の放課後、たまたま1人でいた所に声を掛けられました。
私自身はまだ彼女と殆ど話をした事もなかった筈なのですが、「いいもの見せてあげようか。来て」などと言われ、
返事をする間もなく半ば強制的に手を繋がれ、夕暮れ時の、もうあまり人のいない校舎の奥の方まで連れて行かれました。

確かそこは3階の端にある「第2音楽室」の前でした。トランペット等の大きな楽器置き場となっているだけの殆ど使われていない部屋で、
私自身も部屋の前を通った事が数回あるくらいの、馴染みのない場所でした。それまでずっと私に背を向けて歩いていた彼女が立ち止まり、振り返ります。そして、
「よく見ててネ」とか言いながら突然真上を向き、口をあんぐりと開きました。今でも信じられないのですが、まるで怪獣のCGのように、
もう本当に顎が外れているのではないかと思うほど口が異常に大きく開いたんです。その口の中は通常の人間のそれとは違い、
どういう訳かミニチュア化されたような真っ黒な森林(?)が生い茂り、ねじれた木々が口いっぱいに広がっていました。
(上手く説明出来ずに本当にすみません・・・)

それまでの謎のシチュエーション(なぜ出会って間もない、たいして仲良くもない私に声をかけたのか、等)から嫌な感じはしていたのですが、
ここに至って猛烈な恐怖に襲われ、口を開けたまま微動だにしない彼女をその場に残して逃げ出してしまいました。翌日、私は学校を休みました。
その後に登校した後も彼女は普通にクラスに来ていましたが、もう関わりたくは無かったのでずっと避けていました。

このような事を体験したのはそれ一回だけで、そのまま小学校を卒業すると彼女は私達とは別の、市立の中学校へ進学したという噂を聞きました。
あれを見せる相手がなぜ私だったのか?口の中のあの光景は?あまりにも意味不明な出来事だったので、時々思い出しては未だに気味の悪い感覚に襲われています。

投稿者 ベルベット 様

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