慶應義塾幼稚舎の入試問題・真相を考察

今回は、ネットに広まっている謎の入試問題について調査していきたいと思います。

動画化もされていますので、こちらもぜひ！

慶應義塾幼稚舎の入試問題

皆さんはこの問題を見たことがありますか？

ある学校の入試問題だと言われています。

大人の方でも少し悩んでしまう問題もあり、一体どこの学校で出された問題なのかというと、慶應義塾幼稚舎の入試問題だと言われています。

「幼稚舎」というと幼稚園と勘違いする方もいるかもしれませんが、慶應義塾幼稚舎は小学校です。

つまり、幼稚園児が解く問題だということです。

こうしてみると、かなり難易度が高いように感じますね。

さて、この入試問題は昔からネットで有名なもので今も貼られることが多いのですが、実は慶應の入試問題ではないと言われているのです。

その根拠というのが、慶應義塾幼稚舎の入試はペーパーテストが行われておらず、「絵画制作」「運動テスト」「集団遊び」の3つのテストです。

いずれも行動観察テストと言われており、先程挙げたようなテストは行われていないのです。

それにも関わらず、慶應幼稚舎のテストだとして広まっているこの入試問題、本当はどこの学校で行われたものなのでしょうか？

今では有名なYouTuberですら取り上げるレベルで有名な慶應幼稚舎の問題になってしまっているのです。

今回は、この謎の入試問題についてできる限り調べていきます。

私もこの問題を見たことがありましたが、慶應幼稚舎の問題だと言われて信じていました。

さて、この問題がいつから話題になっていたのか調べてみると、既に2009年にはネットニュースになっていました。

「慶應小学校の入試問題が難しすぎる件」というタイトルで問題が紹介されています。

この記事では「とあるセミナーに参加したところ慶應小学校の入試問題が配られた」と書かれています。

この時点でこの問題が慶應幼稚舎の問題であるという情報があったことがわかります。

このセミナーがデマの元なのかと考えたのですが、記事のコメントを見てみると「ネタ古すぎるだろ」というツッコミがありましたので、この頃より前には既にネットに広まっていたと思われます。

また、「15年前に全く同じ問題を見た」というコメントも有り、90年代には既に存在していた可能性があります。

さらに、とある個人サイトにもこの問題に関する記載がありました。

「大学入試までもう少し」と書かれていることから恐らく高校生の日記だと思われますが、「この前地理の時間、こんなものを渡されました。」という記載とともに、例の問題が書かれています。

これは2003年に書かれたもので、地理の教員が慶應幼稚舎の問題として渡したものであることがわかります。

また、ある小学校の公式ページにも「幼稚園児の解いた問題」として同じものが紹介されていました。

こちらでも「ある私立小学校の入学テストで出されたもの」と書かれています。

これらを踏まえて考えると、デマの元はネットではない可能性が高いと思われます。

セミナー講師や教員といった教育関係者からこの問題が広まっている可能性が考えられます。

さて、そもそも慶應幼稚舎の問題だったのかという話に戻りますが、この問題が90年代から存在していることを考えると

昔はこのような入試問題があったのかもしれません。

私立小学校の入学選抜に関する論文に慶應幼稚舎の情報が掲載されていたので引用します。

どうやら大正の頃は知能テストが実施されていたようで、この頃はペーパーテストが実施されていた可能性があります。

しかしながら、幼稚園児が解くような問題ではないのは明らかで、今もペーパーテストを実施している「慶應義塾横浜初等部」の問題を見ても、絵を見て答える問題が殆どで、このような英語や漢字を使った問題は出ません。

また、このカエルは恐らくサンリオキャラのケロッピで人気がピークだったのは1990年代です。

やはり90年代にこの問題が作られた可能性が高いですが、学校の入試問題に版権物が使われるとは思えません。

これは推測ですが、IQテストの問題集のようなものが当時販売されており、そこに掲載されていた問題だった可能性があります。

いつしか慶應幼稚舎の問題としてネットに広まっていったのではなと考えます。